以前の記事にて、100mmALCの施工手順を詳しく書きました。
2008/06/29「ヨーロッパ生まれの「ALC」その施工手順を習う」
今回は50mmです。
とても扱いやすく、鉄骨造の場合は、外壁等に使用される割合がとても多いのです。
軽量で加工しやすく、断熱性・耐火性に優れています。
厚み50mmのALCは、縦寸法1.8m - 2.0m、幅0.6mが多く、鉄骨胴縁等にビス止めで、施工します。
縦貼りと横貼りのどちらも、可能です。
貼付施工後に、パネル間および異なる材料(サッシュ、笠木、水切り等)間のコーキングを行い、欠損部と、固定の為に使った穴を専用材を使用し、埋めて仕上げます。
出隅部分は専用パネルがあります。
木造住宅においても、ALC50mmは、需要があり、多数の実績があります。
高性能外壁材として国土交通省から、耐火・準耐火1時間という優れた認定を受けており、一般の外壁材の家に比べかなり火災保険料が安くなります。(建築地によって異なります)
ちなみに私の住宅も、木造+外壁ALCです。
もちろん、火災時の延焼も防ぎ、主原料が無機質のため、高温になっても煙や有毒ガスを発生しません。
このように、ALCボードの外壁材は断熱性、遮音性、耐火性など、優れた建材ですが、 経年劣化により、表面の防水性が低下しますと、雨水等が浸入し、 (水分を吸ってしまい)性能や強度が低下してしまいます。
特に、パネルのジョイント部分、サッシュ周りなどのコーキングが劣化するとその部分より塗装が劣化することが多くあります。
ALCの優れた性能を維持する為にも、外壁表面の劣化具合を定期的に点検する事が非常に大切です。
我が家は、築21年になりましたが、一般部分の塗装は汚れだけで、塗装の浮きはまだ見られません(目視ですが)。
ただし、積雪地のため、冬期における屋根からの落雪により、地面より1m以上雪が積もる部分があり、その部分のALCは、塗装の剥がれどころか、ALCの材料自体が爆裂したような状態になり、3年程前に貼り直しをしました。
このようなことに充分注意を払い、適切な使用及び施工をすることが大切ではないでしょうか。
とても優れた材料なのですから。
参考図として、ALC50mmの参考納まり図を、紹介します。
ALC薄型パネルの、鉄骨造タテ張りヨコ胴縁(外胴縁)の納まりです。
次に、平面詳細図、出隅入隅詳細図、開口部納まり図です↓
(クリック拡大)
下記写真は、某鉄骨造の現場におけるALC50mmの、材料と施工状況です↓
建築工事標準仕様書・同解説(JASS 27 2003)
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