改修・改築工事

エポキシ樹脂注入工法の基礎から実践まで(施工手順解説)

2009年4月26日

前回に引き続き、新しいカテゴリーを作成しました。

「26.改修・改築工事」です。

以前より、最近多くなってきた「マンションの大規模修繕」等の工事に関して、何か記述出来ればと考えており、その第一歩としてこのカテゴリーを作ってみました。

さてその第一回ですが、モルタル浮き補修などで施工する「エポキシ樹脂注入工法」を紹介します。

コンクリート造は、経年変化により、モルタルの浮き、躯体のひび割れ・欠損などが生じます。

このことが、モルタルの剥落、コンクリート中性化促進などの原因となりますので、劣化の状態を調査・診断し、適切な工法で補修をします。

モルタルの浮き補修には、アンカーピンニング工法、自動低圧注入工法等ありますが、今回は比較的小面積のモルタルの浮きを想定した場合の、手動式エポキシ樹脂注入工法による補修を紹介します。

それでは、施工手順です。

浮き部分の確認、マーキング

テストハンマーによる打診音で浮き部分を確認します。
浮きの範囲、注入孔をチョークなどでマーキングします。
注入孔の間隔は一般的に300mmピッチ程度とします。

下記写真は、某現場におけるマーキング確認状況です↓
(クリック拡大)
マーキング状況01

注入用孔開け

電動ドリルを用いて孔をあけます。
注入孔は、径5〜8mm、深さは躯体コンクリートに5mm程度、達するようにあけます。

下記写真は、ドリルによる穿孔状況です↓
孔開け01

孔内の清掃

切り粉、ゴミは圧搾空気などで除去します。

スポイトにより圧搾空気を送り、孔内を清掃しています↓
孔内清掃01

ひび割れのシール

ひび割れがある場合は、注入剤が漏出しないように、即硬化形のシール材でシールします。
サッシ廻り等で浮きがある場合、ひび割れのある場合は、既存のシーリング材を取り除き、新たに取り合い部をシールします。
シーリング材が硬化するまで養生します。

混合

注入剤の主剤(A剤)と硬化剤(B剤)を規定の混合比で混ぜ合わせます。

注入

グリスポンプを用いて、注入剤を注入します。
注入孔から注入剤の漏れがないように、グリスポンプの差込み口にウエス等でパッキングして注入します。
壁面施工の場合は、下部から上部へ順に注入していきます。
注入後、注入孔をウエス等で栓をします。

ポンプにて注入している作業状況です↓
エポキシ樹脂注入01

養生

注入剤が硬化するまで(1日以上)、養生します。

モルタルの表面処理

シール材をサンダー等で除去し平滑にして、パテで注入孔を埋めます。

仕上げ

モルタル表面を仕上げ材で仕上げ、完成です。

今後、これらの施工はますます多くなってゆくのではないでしょうか。
それにともない、施工方法も技術的に急速に進歩して新しい工法がでてくると感じております。
その進歩に、われわれ施工業者は、なんとかついていかなければならないのでしょう。

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