労働安全衛生法 安全管理

すぐに使える災害防止協議会テクニック3選(労働安全衛生法第30条)

2011年6月26日

久しぶりのカテゴリー「安全管理」の記事です。

建築関連法「労働安全衛生法」より、

第4章 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置(第20条~第36条)

第30条(特定元方事業者等の講ずべき措置)の中の、

「1.協議組織の設置及び運営を行うこと。」に関して説明します。

建設業や造船業において、元請・下請間や下請間同士の連絡調整不足による災害を防止するために、特定元方事業者には、協議組織の設置が義務付けられています。

これは、全ての関係請負人が参加する組織となっています。
(安衛法第30条、安衛則635条)

一般的には、「災害防止協議会「安全衛生協議会」などと呼ばれていますが、安全衛生法にも、安全衛生規則にも、その呼称については書かれていません。(私の調べた範囲ですが。。)

さて、基本的な言葉の説明ですが、

特定元方事業者とは?
特定事業(建設業・造船業)を行う元方事業者のことであり、

元方事業者とは?
一の場所において行う、事業の仕事の一部を、請負人に請け負わせている事業者で、最も先次の請負契約における注文者
のことを指します。

ここで、安全衛生法第30条をすべて記載します。

(特定元方事業者等の講ずべき措置)

第30条 特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによつて生ずる労働災害を防止するため、次の事項に関する必要な措置を講じなければならない。

1.協議組織の設置及び運営を行うこと。

2.作業間の連絡及び調整を行うこと。

3.作業場所を巡視すること。

4.関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと。

5.仕事を行う場所が仕事ごとに異なることを常態とする業種で、厚生労働省令で定めるものに属する事業を行う特定元方事業者にあつては、仕事の工程に関する計画及び作業場所における機械、設備等の配置に関する計画を作成するとともに、当該機械、設備等を使用する作業に関し関係請負人がこの法律又はこれに基づく命令の規定に基づき講ずべき措置についての指導を行うこと。

6.前各号に掲げるもののほか、当該労働災害を防止するため必要な事項

この、第30条の安全衛生法に基づいて、次の安全衛生規則第635条が、規定されています。

(協議組織の設置及び運営)

第635条  特定元方事業者( 法第15条第1項 の特定元方事業者をいう。以下同じ。)は、 法第30条第1項第1号 の協議組織の設置及び運営については、次に定めるところによらなければならない。

(1)  特定元方事業者及びすべての関係請負人が参加する協議組織を設置すること。

(2)  当該協議組織の会議を定期的に開催すること。

2  関係請負人は、前項の規定により特定元方事業者が設置する協議組織に参加しなければならない。

(安衛則第635条)

この中で、(2)会議を定期的に開催すること。

この文章なのですが、通常、開催される協議会は、月に一回程度です。

この「定期的」という言葉がどの程度を指しているのが具体的な日数は、決められていません。
(これも私の調べた範疇ですが。。。)

いずれにしても、このような法に基づいて、一定の協議会を開く義務が特定元方事業者には課せられているということです。

以前の記事「車両系建設機械作業計画書」にも書きましたが、
労働安全衛生法及び関係政省令の体系として、一番基本になるのが「日本国憲法第27条」です。

ここからすべてが始まり、次に「労働基準法」が、くるのです。

さらに、労働安全衛生法(安衛法)、労働安全衛生法施行令(安衛法施行令)、労働安全衛生規則、関係省令(安衛則)と体系づけられています。

某現場における、災害防止協議会の議事録です↓
一般的には、このような内容で開催されていることが多いようです。
(クリック拡大)
A4用紙で1枚なのですが、3枚の写真に分けています。

実際に某現場における、災害防止協議会の様子です↓
(クリック拡大)

 

 

 

 

 

常日頃、法に基づいた協議組織を確実に運営し、現場を安全に進めることは、現場員の当然の義務と言ってよいでしょう。

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