カテゴリー「26.改修・改築工事」の、2回目の記事です。
グラウト(grout)とは、建設工事において空洞、空隙、隙間、目地、ひび割れ、などを埋めるために注入する流動性の液体のことです。
注入する作業を、グラウチング(grouting)、薬液注入ともいいます。
細かい隙間を充填するために、注入用材料として用いるのは、セメントペースト又はモルタル及び専用材です。
用途は、
地盤改良、岩盤の補強、湧き水箇所、コンクリート構造物のひび割れ補修、鉄骨・鉄筋の充填材、鉄骨柱等のベース下モルタル、補修材料の他、とても広いです。
建築物の、耐震補強(下記参照)などにも、よく用いられます。
・RC造耐震壁による補強
・鉄骨ブレースによる補強
・柱の鋼鉄巻き補強など、
既存コンクリート部材と補強部材との間を接合するため、グラウト材(無収縮モルタル)を圧入・注入し施工します。
材料の注入する材料には、懸濁液、乳濁液、薬液(ケミカルグラウト)などの種類があります。
グラウト用無収縮材には、以下の特徴があります。
1. 施工が容易です。
モルタルの流動性が優れており、空隙のない完全なグラウトが可能です。
2. 構造物との一体化が図れます
空隙の発生を招くブリーディング現象がなく、適度の膨張性と長期に安定した無収縮により沈下、収縮を防ぎ、構造物との付着性を高めます。
3. 十分な耐力を有します
若材齢より高い強度を有し、長期強度の発現性に優れ、適正な養生により、打設後1日~3日で実用強度が得られます。
4. 高温・低温においても品質保持されます
高温時(35℃)、寒冷時(5℃)など厳しい外気下においても良質なモルタルが得られます。
5. 経済的です
優れた品質と良好な施工性から、総合的に工事費を削減します。
それでは材料の紹介です。
某現場において、グラウト用無収縮材として、「デンカタスコン」を使用しました。
デンカタスコンは、デンカが我国で初めて開発したカルシウム・サルフォ・アルミネート系膨張材を活用した、セメント系無収縮グラウト材です。
基本的な材料は、無収縮材、セメント、砂、水です。
それぞれの分量を計測して、グラウト注入材を作ります。
下記写真は、某現場にて使用した「グラウト」です(材料計量状況)↓
圧送するポンプは、以前「床モルタル打設状況」で紹介した、モルタル打設用ポンプです↓
実際に、某改修現場での、グラウト注入施工状況です↓
(クリック拡大)
グラウト注入は、現在、耐震補強工事を含め、いろいろな建築現場において、使用されている工法です。
適正な材料を、適正に使用し施工することが大切だと考えます。
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