建物を構築する前に、最初にその建物の建つ場所の、地盤を調査します。
この調査をおこない、地盤強度、地質等を判明させ、構造物の設計を行ないます。
基礎形式の選定や土工事の施工方法の決定のためにも必要です。
近年では、地震防災との関連もあって、その重要性はますます増しています。
地盤調査の一般的な手法は、下記が挙げられます。
※ボーリング調査
※標準貫入試験
※平板載荷試験
※スウェーデン式サウンディング試験
※動的コーン貫入試験
※ポータブルコーン貫入試験
※オランダ式二重管コーン貫入試験
※レイリー波探査試験など。。。
今回は、ボーリング調査及び標準貫入試験を紹介します。
ボーリングとは、地盤中に孔をあけることや、孔を使う各種の試験、資料採取等のために削孔等をすることを言います。
ボーリングの方法は、ロータリーボーリング、オーガーボーリング、試掘、コアボーリングなどがあります。
サウンディングとはロッドにつけた抵抗体を地中に挿入し、貫入、回転、引抜き等の抵抗から地層の性状を探査することを指します。
その分類の一つに標準貫入試験があります。
これは、質量63.5±0.5kgのドライブハンマーを75±1cm自由落下させて、ボーリングロッド頭部に取り付けたノッキングブロックを打撃し、ボーリングロッド先端に取り付けた標準貫入試験用サンプラーを地盤に30cm打ち込むのに要する打撃回数を測定する試験です。
この打撃回数をN値と呼びます。
この試験と同時に乱さない土の資料の採取(サンプリング)を行うことが一般的です。
つまり、「ボーリングを行い、各種の試験調査をする」この一連の作業をボーリング調査、標準貫入試験と称します。
長所としては、多くの国で基準化された試験方法で、結果の評価・対比が容易であること、現状の土を採取でき、土の観察が容易(物理的な土質試験に使える)であること、又、N値の利用分野が各種の規準で確立しており、過去データが多数蓄積されている等が挙げられます。
短所は、広い調査スペース(乗用車2台分以上)を確保する必要があり、試験時間が長く(場合によっては数日)、コストが比較的高いこと等があります。
地盤調査にあたり、地層構成が複雑な軟弱地盤の場合は、不同沈下が起こりやすいので、広い範囲で調査する必要があります。
最近問題になり始めたのが土壌環境問題です。
住宅地図・地形図及び謄本等から土地の履歴を調べ、土壌汚染の可能性についてチェックします。
また、土壌採取・分析することで汚染項目(直接採取のリスクがある第二種特定有害物質)による土壌環境状態を確認する必要があります。
下記写真は、実際のロータリーボーリング装置による地盤調査状況と、採取したサンプリングの状態です。
関連記事もご覧ください