コンクリートを打設後、型枠を解体するまでの時間を在置期間と表現します。
今回は、型枠の存置期間及び取外しを記述します。
型枠の取外しは、型枠の最小存置期間を経た以後に行ないます。
その型枠の最小存置期間は、コンクリートの材齢又はコンクリートの圧縮強度により定めます。
寒冷のため強度の発現が遅れると思われる場合は、圧縮強度により定めます。
その場合は、コンクリートの試験結果及び安全を確認するための資料により、監督員の承諾を受けなければなりません。
コンクリートの材齢による場合、せき板の最小在置期間は、部位が、基礎、梁側、柱、壁で、セメントの種類が、普通ポルトランドセメントの場合、在置期間の平均気温が15℃以上で3日、5℃以上で5日、0℃以上で8日となります。
コンクリートの圧縮強度による場合は、セメントの種類及び気温に関係なく、圧縮強度が5N/mm2以上となるまでと規定されています。
次に、支柱の最小存置期間ですが、側部のせき板とは大幅に違います。
コンクリートの材齢による場合、スラブ下で、セメントの種類が、普通ポルトランドセメントの場合、在置期間の平均気温が15℃以上で17日、5℃以上で25日、0℃以上で28日となります。
梁下の場合は、セメント及び気温に関係なく28日です。
コンクリートの圧縮強度による場合は、スラブ下の場合、セメントの種類及び気温に関係なく、圧縮強度が設計基準強度(Fc)の85%以上又は12N/mm2以上であり、かつ、施工中の荷重及び外力について、構造計算により安全であることが確認されるまでと規定されています。
梁下の場合は、さらに圧縮強度が設計基準強度(100%)以上であり、かつ、施工中の荷重及び外力について、構造計算により安全であることが確認されるまでとなっています。
ここで大切なことは、「かつ」以降の文章です。
つまり、「強度が確認されたとしても、施工中に考えられる積載荷重等に関しては、安全が確認されるまで支保工を解体してはいけません」と言っている訳です。
他に、片持梁、ひさし、長大スパンの梁、大型スラブ等の型枠を支持する支柱、又は施工荷重が著しく大きい場合の支柱等は、必要に応じて、存置期間を延長しなければなりません。
寒中時のコンクリートの品質管理及びせき板在置期間に関しては、事前に計画書を作成し、監督員と協議する必要があります。
下記写真は、現場におけるコンクリート試験状況と、型枠支保工状況です。
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