屋根板金工事

折板貼(屋根工事)後編

2009年7月5日

前回↓に引き続き「折板貼」後編です。

折板貼(屋根工事)前編

今回は、屋根金属板葺きの「折板貼」です。

ちょっとばかり詳しく紹介しますので、2回に分けることに致しました。

さて、折板(せっぱん)葺き屋根は長尺を生かし倉庫・工場・店舗などの大型建築に多く用いられます。




屋根「折板貼」の固定の方法には一般的に3種類あります。

1.重ね式折板
折板本体をタイトフレームの剣先ボルトで貫通し、ナットとパッキンで締め付ける工法です。
最もオーソドックスで、比較的小規模な倉庫・工場やガレージ等に使用されています。

2.ハゼ式折板
折板本体の接合部分を「ハゼ」と呼ばれる加工を施し、タイトフレームと折板本体を「吊子」と呼ばれる金具で固定する工法です。
最終工程として、ハゼの締め付けが必要となります。
重ね式と異なり、屋根上部にボルトが突起しないことや、施工性がよいことから、大型物件や長尺屋根(10~20m超)に使われています。
また、ハゼの形状から、丸型と角型があります。

3.勘合式折板
折板本体の接合部を勘合できるように加工を施し、タイトフレームに固定する工法。
ハゼ式折板と共通する部分が多いが、ハゼ締め工程がなく、一発仕上げが可能です。

一般的な折板の構成図です↓
折板構成図01

それでは、折半の施工手順です。

1.タイトフレーム設置
前回の記事にて紹介しました。

2.折板設置
工場にて加工した材料を、荷揚げ機器(移動式クレーン等)にて、所定の位置に設置します。
一枚一枚、数名でタイトフレームに折板をはめ込んでゆくわけです。

下記写真参照↓(クリック拡大)
折板荷揚01 折板設置01
折板設置02

3.ハゼ式折半の場合、ハゼの締め付けを行います。
最初に手動の機械で荒締めを行い、その後専用器で、数度締め込みます。

下記写真参照↓(クリック拡大)
折板ハゼ締め01 折板ハゼ締め02
折板ハゼ締め03

4.面戸等を取付けます。

下記写真参照↓(クリック拡大)
左側が軒先に使用する「軒先面戸」、右側が棟側に設置する「水上面戸」です。
折板面戸01 折板面戸02

5.棟包み等を取付けます。

下記写真参照↓(クリック拡大)
片流れの屋根の、「棟包み」です。
折板棟包み01

6.最後に、細部のシール等をおこない、清掃をして完成です。

現在、折板で使用される素材のうち、最も多いのが、ガルバリウム鋼板もしくはカラーガルバリウム鋼板です。
また、折板には、専用の裏貼り断熱材があり、断熱・防露などに効果を上げています。
とにかく、工場、倉庫等、皆さんの近くにあるこのような建物の屋根は、ほとんどこの折板工法にて、製作されています。
ちょっと視線を上に上げて、のぞいてみてください。

最後に、面戸の種類と、細部詳細図を掲げておきます↓
(クリック拡大)

各種面戸↓
折板面戸03

軒先部分の詳細(左側)と、ケラバ部分の詳細(右側)です↓
折板詳細図01 折板詳細図02

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