防水工事

屋根断熱防水工法(シート防水)

2007年10月28日

建物の屋根部分は、非常に大切な箇所です。

顧客苦情の多い場所の一つでもあります。

特に、S造等の場合は、充分な注意が必要です。

RC造の場合は、一般的にコンクリート面にアスファルト防水等をほどこし、屋根としての防水対策を施します。

S造の場合は、母屋を流し、屋根材を葺く工法と、デッキを敷き、コンクリートを打ち、その上に防水を施す工法、今回紹介するデッキの上に断熱材を直接敷き、シート防水を施す工法などがあります。

建築物で防水を必要とする部位は、屋根、ひさし、ベランダ、外壁及び室内の水廻りです。
これらの部位へは防水層が必要となり、この防水層を形成するために行う工事が防水工事の定義です。

今回紹介する工法は、「サンタックIB工法」です。
某店舗の現場にて使用しました。

概略としては、鉄骨造の梁上にデッキを敷き、断熱材を張り、シート防水を行う工法です。

特徴を列記します。
1.シート材と機械固定方法・接着工法の組み合わせによる防水システムです。

2. シートは、ポリメタリック可塑剤塩化ビニル樹脂系防水シートです。

3.書面による防水保証は、保証年限を10年以内としています。(30年相当の耐候性データ)

4.ゴムシート防水や塗膜防水層と比較して、機械的強度が大きく、カラスなどのくちばしのツイバミにも強く、耐久性にも優れています。

5.自己消火性があり、ゴムシート防水層と比較して外部からの飛び火に対して、難燃性に優れています。

6.下地の水分をシート表面から徐々に排出し、脱気塔設置の必要がなく、フクレのない防水層を形成できます。

7.既設防水を残したまま改修でき、産業廃棄物発生の少ない防水システムです。

8.機械的強度が大きく、耐磨耗性に優れているため、歩行も可能です。

9. 耐油性・耐薬品性に優れています。

メンテナンスの注意事項として、建物周辺の環境要因により、防水シートに土埃による汚れが発生する事がありますので、定期的な清掃が必要です。

施工完了後、万一キズが付いた場合にも、熱風機及び溶剤溶着により、シート補修が可能です。

下地に使用するイソシアヌレートボードは耐吸水性能が高く、自己消火性のある難燃性断熱材です。
断熱材厚さについては建築物の用途及び建築地域により変ります。
関東以西は25〜35mm、北海道・東北地区は35〜50mmが一般的な目安です。

また、デッキの厚さも、積雪荷重等により、変わってきます。
屋上の防水は、信頼性の確かな工法及び、性能、種別等の充分な検討を行い、選択することが、重要であると考えます。

下記写真は、施工中と納まり施工図です↓
(クリック拡大)

屋根張り状況01 屋根防水02
金属防水屋根の技術と性能
参考資料→「シート防水のサンタック

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