建築情報「けんけんちくちく」
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屋上パラペット笠木取付状況

建築工事における「笠木」について、記述致します。

笠木とは、階段などの手すり、塀(へい)、パラペットなどの上方に取り付けられる仕上げ材のことを言います。

笠木の材質には、金属製、木製、モルタル製などが用いられています。
今回は、集合住宅等の、屋上パラペット部分に通常施工される、アルミニウム笠木を紹介します。

建設大臣官房官庁営繕部監修「建築工事監理指針」(下巻)14章8節「アルミニウム製笠木」においての、適用範囲は、通常の鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の屋上パラペットに使用するオープン形式を想定しています。

建築工事の中の、屋上パラペット部や立ち上り部の端末処理は、複雑で漏水事故などトラブルの発生しやすい箇所のひとつです。
簡単にこの端末部を処理できる工法の一つが、アルミ合金製の規格笠木による施工方法です。
アルミ笠木を取り付けることにより、防水層が保護され、また建物の意匠性も向上します。
施工は、笠木本体とジョイント金具、固定金具の3点で行います。
※笠木本体・・・アルミニウム合金押出形材もしくはアルミニウム合金板材折曲げ形に、表面処理を施しています。
※補助部品
・固 定 金 具・・・笠木本体を嵌合させる金具で、パラペット構造体に、アンカープラグなどで固定します。
・ジョイント金具・・・笠木本体のジョイント部に取り付けられる下地金具です。

それでは、施工手順です。

最初に、施工図により、割付け、各部の納まり(端部、壁付き、他との取合い)及び取付手順を検討します。

笠木をはめ込むための下地金具をパラペット天端にあと施工アンカー等で堅牢に固定します。
笠木が通りよく、且つ、天端の水勾配が正しく保持されるように、あらかじめレベルを調整して取付けていきます。

固定金具は、通常1.3m程度の間隔で取付けられますが、多雪地域及び高層階においては、部材・天端面の変形を避けるために、必要強度に応じた取付間隔で固定する必要があります。

特に、強い風圧の予想される箇所に使用する場合は、風荷重に対して十分な引抜き耐力を有するようアンカーの径・長さ・取付間隔を検討し、施工に反映させなければなりません。

次に、笠木部材をはめ込んでいきます。
取付は、コーナー部分笠木(通常L=500mm程度)を先に取り付け、直線部材については、パラペット全体の形状を勘案し、定尺を中心に割付けます。
コーナー用笠木は、直角コーナー以外は特注となる場合が多いです。

笠木のジョイント部に取付けられる固定金具は、笠木のジョイントでの雨水に対して排水機構の溝形断面形状を持つものとします。
また、オープンジョイントを原則とし、温度変化による部材の伸縮への対応や排水機構のため、5〜10mmのクリアランスを設けます。
このように、笠木を順番に、全てはめ込んで完成です。

アルミニウム笠木の特徴を列記します。

1.躯体絶縁方式
これが一番の、特徴では無いでしょうか。
笠木を直接躯体に固定しませんから、温度変化による部材の伸縮の影響を受けません。
笠木の接続はオープンジョイント方式で、アルミ笠木自体の伸縮も吸収できます。

2.ノーシーリング・開放式
笠木の接続部はシーリング材による密閉施工をしません。
そのため、躯体と笠木との間に、空気の流通層が出来、溜り水・結露・凍害等の発生をおさえます。

3.優れた耐候性
防錆、防食性能に優れたアルミ合金材にアルマイト処理、クリア塗装仕上げをした複合被膜処理です。
笠木先端の突起部が水切効果を発揮します。

4.施工の標準化
既製品は、一般的に、135〜500mmまで規格品があり、RC・ALC・鉄骨など各種の躯体の幅をカバー出来ます。
つまり、サイズ・役物が豊富で多様化する建築デザインに対応できます。

5.その他
電解着色・塗装仕上げによりカラフルな仕上げが可能です。
アルミ押出形材なので、軽くて精度が高く、運搬・取付がラクにできます。
嵌合式・ノンシール工法のため、施工作業が簡単です。

アルミニウム製笠木の施工計画書記載事項は、おおむね次項です。
1.工程表(必要に応じて場所別の工程表の作成)
2.製造所名、施工業者及び管理組織
3.使用材料の材質(表面処理方法も含む)、寸法
4.工法、管理の方法等
5.養生方法

現在、RC造、鉄骨造における、笠木のほとんどは、このアルミ製笠木ですね。
やはりそれだけ、信頼性の高い製品であるといえるのでしょう。

標準納まり図、及び取付状況の写真です↓

現場技術者が教える「施工」の本(仕上編)




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コメント

  1. hiramatsu より:

    はじめまして。現在、自宅に屋上を作りたいと考えてる者です。大変わかりやすい説明と写真でとても参考になりました。

    あつかましくも、この場で質問させていただきますが、もしよければご回答いただきたく思います。

    現在、工務店と打ち合わせていますが、設計士によると、笠木はすべて同じ高さで屋上を囲む形にしないと、漏水事故が起きる可能性がある、と言います。私は、北面は隣家があるので高い壁を設け、南面は眺望が良いので壁は足下までにし、手すりなどを設けたいと考えています。すると、笠木の高さも面によって変わってくるのですが、これはあまりよくないらしいです。木造で外壁はガルバリウムです。

    こんなものなのでしょうか。よろしくお願いいたします。

  2. Nina より:

    hiramatsuさん、コメントありがとうございます。
    私見ですが、想像する範囲にて、述べさせていただきます。
    私は、建物というのは、すべからず「シンプルイズベスト」と考えています。
    この観点からすると、笠木の高さを変えるということは、その変える部分において、立壁が出来、施工上納まりが変わります。
    つまり、シンプルではなくなるということです。
    もちろんだからといって、漏水が起きるということに直結する訳ではなく、正しい納まりを施せば、長持ちのする立派な屋上が完成するでしょう。
    設計士さんがおっしゃっているのは、「可能性が多少なりとも高くなります」ということではないでしょうか。
    そうであれば私も同感です。
    気象条件、建物の方位、手摺の納まり等も検討事項ではあります。
    ちなみに、私の住宅は、屋根が長尺葺きなのですが、谷部分が築19年にて穴があきました。
    原因は、屋根材の表面の劣化に伴って、谷部分につららが常時出来るようになり、氷の荷重・動き等により、板金がめくれあがってきたのでした。
    それではどうすればよかったのでしょうか。
    まずは、谷部分をつくらない設計、つぎに、谷部分の完全な補強、あとは、屋根表面のメンテ、こんなところでしょうか。
    このようなことをふまえ、私の本音を書きます。
    ——–
    ここまでの意見に相反しますが、設計士さんに相談し、あくまでも自分の思い通りの形にしてもらったらいかがでしょうか。
    可能性の問題は先ほど書きましたが、それ以上にせっかくお金をかけて屋上を作る訳ですから、悔いが残るのではないでしょうか。
    hiramatsuさんの文章から、そのような思いを感じました。
    まずは、設計士さんになぜ漏水の可能性があるのか、自分が納得し理解するまで聴いてみてはどうでしょうか。
    (建物の構造上の問題、地域性、屋根材質なども、影響しているのかもしれません)
    その後判断してみて下さい。
    少しでも参考になれば幸いです。。。。

  3. 五十嵐政雄一級建築士事務所 より:

    材料のみ(笠木)の注文は可能ですか。

  4. kazzzz より:

    五十嵐さん、コメントありがとうございます。

    材料のみでも、販売可能だと思います。
    メーカーとの取引業者に、依頼すれば良いと思います。

    これからもよろしくおねがいします。





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