「アスベスト処理」の続きです。
前回は、「3.養生作業(石綿則第14条)」まで、記載しました。
それでは引き続き、某現場におけるレベル3の作業手順を紹介します。
4.区画養生作業
外部建具周りを、粘着テープを使用して、密閉します。
その他、アスベスト粉じんが、外部に流出するおそれがある箇所(換気口等)は、ポリエチレンシートを使用して、密閉します。
下記写真は、現場内の養生状況です↓
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また、作業場所には、下記写真のような掲示をします↓
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次に、撤去作業です。
5.撤去作業
・作業員は、防じんマスク・保護めがね・保護衣を着用します。
・アスベスト成形板からの、粉じんを抑制するため、散水を行ないます。
下記写真は、散水状況です↓
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・アスベスト成形板の撤去作業は、可能な限り破壊または破断を伴わない方法で行うものとし、原則として、「手ばらし」とします。
手ばらし状況写真です↓
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・撤去作業者は、作業場退出時、粉じんを場外へ持ち出さないよう、体全体に掃除機をかけてから、退場します。
・撤去したアスベスト成形板は、ポリエチレン袋に、密封します(ガムテープによる密封)。(石綿則第32条)
袋詰め状況です↓
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・撤去作業終了後、残存粉じんの再飛散を防止する為、作業場全体を高性能フィルター付き真空掃除機で清掃します。
下記写真は、清掃状況です↓
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レベル3のアスベスト撤去作業は、これで完了です。
ただし、アスベスト廃棄物の処理は、この後、集積/運搬、処分に至る最後の最後迄、いろいろな決まり事があります。
この辺は、またの機会に致します。
レベル3の現場での処理を、2回にわたり紹介しました。
レベル1、2に関しては、多少の経験はあるのですが、資料不足で、更なる学習を経てのちに、UP致します。
まだまだ日本国内には、アスベストを使用している建物が多く存在しています。
決まり事をきちんと守り、安全な撤去作業を心掛けるべきと感じています。
アスベスト問題―何が問われ、どう解決するのか (岩波ブックレット)
防じんマスク 作業レベル2,3対応アスベスト(石綿)対策用防じんマスク DR80N3
新年第2弾は、アスベストをちょっとかじってみます。
また今回から、「36.解体工事」のカテゴリーを作成しました。
皆さんご存じの、悪名高きアスベストとは、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物です。
日本名では、アスベスト鉱石をほぐすと、綿のような形状であることから石綿(「いしわた」、または「せきめん」)と呼ばれています。
以前より、アスベストは、耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などの特性に優れており、
さらに、安価であるため、建材、電気製品、 自動車、家庭用品等、様々な用途に広く使用されてきました。
ただし、その石綿粉塵が呼吸とともに人体に吸い込まれると、体内で分解されず細胞に突き刺さり、20年から40年潜伏した後に、肺がんや中皮腫などの重大な健康被害をもたらすことが、近年明らかになりました。
そこで日本では、平成18年9月1日をもって、アスベストが、0.1%を超えて含有する全てのアスベスト製品の製造・輸入・譲渡・提供・新規の使用が、全面禁止となりました。
建物の解体やリフォームを行う場合などでは、アスベスト含有の事前調査を行います。
まず、施工図面等の設計図書で、建物や建材の石綿使用の有無を確かめます。
その結果、不明の場合は現場の検査・確認をし、目視・分析により作業の対応を判断致します。
その上で石綿の含有が不明の場合や、正確な含有濃度を測定する場合には検体のサンプル採取による、石綿濃度の分析調査を行います。
その結果、アスベストは、3つのレベルに分かれます。
アスベストレベルとは、『建設業労働災害防止協会』により定められている石綿含有建材別作業レベル区分のことです。
石綿の除去工事や処理をする際、レベルに応じた適切な処理をするための基準とされます。
これは、レベル1・レベル2・レベル3の三つに分類されています。
レベル1とは、
著しく発じん量が多い作業で、作業場所の隔離や高濃度の粉じん量に対応した防じんマスク、保護衣を適切に使用するなど、厳重なばく露防止対策が必要なレベル。
吹付け石綿など。
レベル2
比重が小さく、発じんしやすい製品の除去作業であり、レベル1に準じて高いばく露防止対策が必要なレベル。
①石綿保温材
②けいそう土保温材
③パーライト保温材
上と同等以上に石綿が飛散するおそれのある保温材。
レベル3
発じん性が比較的低い作業で、破砕、切断等の作業においては発じんを伴うため、湿式作業を原則とし、発じんレベルに応じた防じんマスクを必要とするレベル。
上記以外の石綿含有建材
このように分類されるのです。
今回は、某現場における、レベル3のアスベスト除去を紹介します。
作業手順を追ってゆきます。
除去するものは、石綿含有建材(アスベスト成形板)です。
1.機材の搬入
所定の場所に機材を搬入し、整頓して保管する。
機材とは、真空掃除機、アスベスト廃棄用ポリ袋、保護マスク、保護手袋、保護衣、区画用ポリエチレンシート、散水用噴霧器などです。
2.アスベスト取り扱い作業であることの表示を行う。
(1) 工事関係者以外立入禁止の表示と措置(特化則24条)(石綿則第7条)
(2) 作業主任者と職務内容の表示(安衛則18条)(石綿則第33条)
(3) 石綿処理工事であることの表示(石綿則第34条)
① 石綿処理工事であることの表示
② 石綿の有害性、人体に及ぼす作用の表示
③ 石綿の取扱上の注意事項の表示
④ 使用すべき保護具の表示
(4) 石綿の有害性、注意事項、保護具仕様等の表示(特化則38の3)
(5) 作業場所での喫煙・飲食禁止の表示(特化則38の3)(石綿則第33条)
下記写真は、某現場における仮囲いに掲示した、石綿解体作業に関するお知らせ看板です↓
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3.養生作業 (石綿則第14条)
作業員には、防じんマスク・保護マスク・保護衣を着用させます。
下記写真は、某現場におけるレベル3の成形板除去の保護衣です↓
また、もう一枚の写真は、作業にかかる前の、教育状況です↓
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レベル3は、非飛散形とも呼ばれ、比較的撤去に関する管理がレベル1,2と比較するとゆるいですが、決められたことを必ず守り、作業することが肝心です。
次回は、この続きから、いよいよ撤去にかかります。
アスベスト禍はなぜ広がったのか―日本の石綿産業の歴史と国の関与
石綿含有製品を使用した建物の解体の時に石綿(アスベスト)障害予防規則対応用品標識板 324-…
今回は、型枠工事です。
過去に9回、型枠取付けに関して記事にしています。
RC造において、梁の型枠を地組みして、レッカー等にて吊り込んで設置する工法は、よく行われます。
その場合の安全作業手順を、紹介します。
柱の型枠を最初に立て、その柱の仕口部分に、クレーンにより梁の型枠を、のせます。
その梁の型枠は、サポート(支柱)によりすぐに支えます。
この作業に使用する設備・機械は、
・作業台・はしご・脚立・足場板・ゴムバンド
・移動式クレーン・高所作業車・ローリングタワー
等です。
使用する工具・機器は、
・丸のこ盤・電動丸のこ・電動ドリル・電工ドラム・電動釘打機・高速カッター
・インパクトレンチ・延長コード・ハンマー・玉掛用具・手鋸・ラジェットスパナ
・バール・墨つぼ・Pコン廻し・差金・シノ・番線カッター・布袋
等です。
使用する安全設備・保護具は、
・保護帽・保護メガネ・安全靴・皮手袋・保護手袋・安全帯・安全標識・親綱支柱
・ 親綱・カラーコーン・コーンバー・バリケード・トラロープ
等で、
使用資材は、
・コンパネ・補助さん・フォームタイ・端太パイプ・端太角・サポート
・チェーン・単管・緊結金具・タンバックル・根絡みクランプ・釘・番線
・剥離材・セパレーター・Pコン・結束線・端太受金物・ビニール袋
等です。
この作業に必要な主な資格と、配置予定者(作業主任者・作業指揮者・監視人等)は、下記です。
・型わく支保工の組立て等作業主任者
・玉掛技能講習修了者
・5t未満のクレーン運転の特別教育
・高所作業車の運転特別教育
・職長(安全衛生責任者)
この図で、安全注意事項が4つ、描かれています。
① 支柱を立て親づなを張る
② 安全帯を使用する
③ 昇降は、はしご等を使用する
④ 関係者以外立入禁止措置をとる
下記写真は、実際の現場において、梁型枠を設置している作業状況です↓
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それでは、大梁型枠組立てを行う際の、
「危険有害要因の特定」と「危険有害要因の除去・低減のための実施すべき事項の特定」を書き出してみます。
それぞれ、危険要因と、その除去事項です。
1.大梁型枠の玉掛・荷崩れによる荷の落下
・重量の確認と必要により補強
2.玉掛者の吊上げ時に、荷にはさまれ・激突
・玉掛作業は有資格者が行う
・反動や風で荷が振れるので、介錯ロープを使用する
3.柱型枠への取付時に墜落
・柱内の低い姿勢で作業をする
・柱筋を利用して安全帯を使用する
(親綱を張る柱筋はD25以上とし、状況により補強対策を行う)
・梁底端太に転倒防止を取付ける
・梁底のサポート取付けを確認する
・サポートは専用ピンを確実に差す
・2人一組で声をかけあって作業する
4.昇降時の転落・墜落
・はしご等の昇降設備を設備する
・はしごは固定して使用する
・近道行動をしない
等々が考えられます。
この梁枠取付作業は、型枠工事の中でも一番「危険有害要因」が多く、また重大災害につながる確率も高いといえます。
必ず作業前に、
一つ一つの作業に対して、どのような危険が潜んでいて、その危険を回避するためにはどのような行動を心がければよいか、常に考えることが、安全作業に直結するのではないでしょうか。
前回に引き続き、試験・調査カテゴリーです。
今回はコンクリートです。
コンクリートの現場試験に関しては、過去にも何度か記事にしています。
それは、「コンクリートの現場試験」であり、「カンタブ試験」でした。
今回は、その試験の中の「圧縮強度試験」です。
現場において、コンクリート打設の際に、圧縮強度試験用のコンクリート供試体を製作(JIS A 1132)します。
3本一組で、150m3に1回試験体を採取し、20±2℃の水中養生をおこない、 1回の試験結果が、呼び強度の値の85%以上でかつ、3回の試験結果の平均値が呼び強度の値以上であれば合格となります。
試験方法は、専用の機械に試験体を挟み込み、上から圧力をかけ破壊するまでの強度を測定します。
通常、4週強度で判断します。
一番大切なことは、実際に打たれたコンクリートの強度が出ているかどうか、です。
この試験は、どの建物でも、行なう、必須の監理項目です。
それでは手順です。
コンクリート工事の日、コンクリート生コン車が、到着すると、最初に、コンクリートを検査用に採取し、受入れ検査をします。
その際、コンクリート強度の試験用に1ロッド6体(1週3本、4週3本)の試験体を作ります。
下記写真は、生コン車からコンクリートを採取している状況と、供試体です↓
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供試体に関しては下記の基準が定められています。
A. 供試体の寸法
供試体は、直径の2倍の高さをもつ円柱形とします。
その直径は、粗骨材の最大寸法の3倍以上、かつ、10cm以上とします。
B. 供試体を作成する器具
a)型枠は、非吸水性でセメントに侵されない材料で造られたものとします。
b)型枠は、供試体を作るときに漏水のないものとします。
c)型枠は、所定の供試体の精度が得られるものとします。
d)型枠の内面には、コンクリートを打ち込む前に鉱物性の油又は非反応性のはく離材を薄く塗るものとします。
e)突き棒を用いて締め固める場合、突き棒は、先端を半球状とした直径16mm,長さ500~600mmの丸鋼とします。
f)内部振動機によって締め固める場合、振動機は、JIS A 8610に規定するものとします。
振動機の棒径は、供試体の最小寸法の1/4以下とします。
試験体を作成する際の、コンクリートの打込み方法です。
コンクリートは、2層以上のほぼ等しい層に分けて詰めます。
各層の厚さは160mmを超えてはなりません。
A. 突き棒を用いる場合
各層は少なくとも10cm2に1回の割合で突くものとし、すぐ下の層まで突き棒が届くようにします。
この割合で突いて材料の分離を生じるおそれのあるときは、分離を生じない程度に突き数を減らします。
B. 内部振動機を用いる場合
内部振動機はコンクリート中に鉛直に挿入します。
最下層を締め固める場合は、型枠の底面から約2cm上方までの深さまで突き入れます。
最下層以外を締め固める場合は、すぐ下の層に約2cm程度差し込むようにします。
C. 振動台式振動機を用いる場合
型枠は振動台に取り付けるか、強固に押し当てます。
振動締固めは、大きな気泡が出なくなり、大きな骨材の表面をモルタル層が薄く覆うまで続けます。
振動のかけすぎは避けなければなりません。
このようにして製作された供試体の形状寸法の許容差は、次によります。
a)供試体の精度は、直径で0.5%以内、高さで5%以内とします。
b)供試体の載荷面の平面度は、直径の0.05%以内とします。
c)載荷面と母線との間の角度は、90±0.5度とします。
型枠の取外し及び養生は、次のとおりとします。
a)コンクリートを詰め終わった後、その硬化を待って型枠を取り外します。
型枠の取外時期は、詰め終わってから16時間以上3日間以内とします。
この間、衝撃,振動及び水分の蒸発を防がなければなりません。
b)供試体の養生温度は、20±2度とします。
供試体は、型枠を取り外した後、強度試験を行うまで湿潤状態で養生を行わなければなりません。
供試体を湿潤状態に保つには、水中又は湿潤な雰囲気中(相対湿度95%以上)に置くとよいです。
下記写真は、現場にて水中養生を行っている状況です↓
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実際にコンクリートを圧縮する装置は、次の基準があります。
A. 圧縮試験機
圧縮試験機は、JIS B7733の6に規定する1等級以上のものとします。
また、試験時の最大荷重がひょう量の1/5からひょう量までの範囲で使用します。
同一試験機でひょう量をかえることができる場合は、それぞれのひょう量を別個のひょう量とみなします。
B. 上下の加圧板
上下の加圧板の大きさは、供試体の直径以上とし、厚さは25mm以上とします。
加圧板の圧縮面は、磨き仕上げとし、その平面度(2)は100mm当たり0.02mm以内で、かつ、そのショア硬さは、70HS以上とします。
C. 球面座
上加圧板は、球面座をもつものとする。
球面座は、加圧板表面上にその中心をもち、かつ、加圧板の回転角が3度以上えられるものとします。
最後に試験方法です。
a) 供試体の上下端面及び上下の加圧板の圧縮面を清掃します。
b) 供試体を、供試体直径の1%以内の誤差で、その中心軸が加圧板の中心と一致するように置きます。
c) 試験機の加圧板と供試体の端面とは、直接密着させ、その間にクッション材は入れません。
ただし、アンボンドキャッピングによる場合を除きます。
d) 供試体に衝撃を与えないように一様な速度で荷重を加えてゆきます。
荷重を加える速度は、圧縮応力度の増加が毎秒0.6±0.4N/mm2になるようにします。
e) 供試体が急激な変形を始めた後は、荷重を加える速度の調整を中止して、荷重を加え続けます。
f) 供試体が破壊するまでに試験機が示す最大荷重を有効数字3けたまで読みます。
下の写真は、実際に試験器にて、コンクリート供試体をつぶしている状況写真です。
(クリック拡大)

報告は、次の事項について行ないます。
a) 試験年月日
b) 供試体番号
c) 材齢
d) 養生方法及び養生温度
e) 供試体の直径(mm)
f) 最大荷重(N)
g) 圧縮強度(N/mm2)
h) 欠陥の有無及びその内容
i) 供試体の破壊状況
j) 見掛け密度(kg/m3)
コンクリートの圧縮試験は、建築工事現場において、基本中の基本と言えるでしょう。
このあたりは、現場管理をする上でも、一番最初に理解しなければならないと考えます。
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