左官工事のひとつに、Pコン埋めという作業があります。
「Pコン」とは、コンクリート構造体を作る際、コンクリートを流し込むため型枠を作りますが、それを固定させるため、Pコン(プラスチックコーン)とセパレーターというものを使用します。
コンクリート打設後、型枠などを取り除いた後の名残が、丸い凹みになります。
これです↓
これを、セパレーター(通称セパ)に取り付けます。
そして、型枠に取付、組み立てていきます。
その後、コンクリートを流し込み、硬化後、脱型します。
型枠を解体すると、下写真のような形状となります。
このように、RC壁にたくさんの穴が空きます。
ここから「左官職人」の出番です!
この穴に樹脂モルタルを埋める作業のことを「Pコン埋め」といいます。
Pコン孔充てん施工
最初に、日本化成株式会社が、作成している施工マニュアルを紹介します。
とてもわかりやすく、一読をお勧めします。
次に、材料を紹介します。
㈱マノールで販売している材料のカタログです。
マノールPコン補修用モルタルは、Pコン・木コンの穴埋め補修を目的とした速硬・無収縮・防水性を 兼ねそなえた再乳化粉末樹脂1材型のポリマーセメントモルタルです。
pdf_043基本的に、既存の壁と平らになるように埋めます。
ただし、打放し仕上げで、Pコンを化粧として見せる場合などは、へこませて埋めます。
Pコン埋めにおいて一番大切なことは、穴の奥までしっかりと材料が入っていることです。
左官屋さんの一番最初に覚える仕事のひとつです。
下記写真は、Pコン埋めの施工状況です。
数が多いと、大変です。
雨天時は、施工できません。
モルタルによる穴埋め作業は、施工者の熟練度により品質が、大幅に変わります。
また、穴埋め不良により、錆の染み出し・モルタルへこみ・剥落・ 劣化・ひび割れ・爆裂などが施工後に頭を悩ます問題となります。
そのような不良箇所を発生させないためにも、下記注意事項を守る必要があります。
①Pコン穴内のコンクリートくずやホコリを刷毛などを用いて完全に除去・清掃
する。
②Pコン穴内へのNSハイフレックスHF-1000の5倍液塗布を行う。
③モルタル(NSドカモルハードなど)充てんは小物鏝を使用し、最低でも2層に分けて行う。
④1層目はセパレーターのネジ頭が隠れる程度に充てんし、未充てん部がないよう十分押える。
押えは通常の鏝ではなく、専用の鏝(Pコン鏝)などを使用する。
⑤2層目はコンクリート面まで充てん後しっかり押える。
ちなみに、下記写真は、Pコンを使用しない場合の、通常のセパレーターの頭です。
この場合は、仕上げで隠れるため、セパを折って、錆止め塗装処理を行います。
Pコン埋めが終われば、コンクリート表面の左官補修を行います。
どの工程も、左官工事の大切な工程です。
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