
この検査に関しては、以前、外装タイル引張試験にて、詳しく説明しました。 タイル工事における、引張試験を紹介します。 タイル施工後の確認及び試験として、一般的に全面にわたる打診検査による浮きの有無の確認と、引張試験機による接着力試験があります。 打診検査とは、施工後、全面に ...
学校では教えない「外装タイル引張り試験」の知識と手順
今回はその重要性について、記載します。
そもそも、貼ったタイルは、将来的に剥がれる可能性を否定できません。
そこで、平成20年4月に、建築基準法の改正がおこなわれ、
「定期報告制度の厳格化(特殊建築物のタイル外壁等における10年毎の外壁全面打診の義務化)」
が、制定されました。
下表参照(クリック拡大)
これを受けて、一般社団法人全国タイル業協会/全国タイル工業組合では、
「既存建築物のタイル外壁の調査と調査結果判断について」
という図書を発刊しています。
(上記クリックPDF)
この図書は非常にわかりやすく書かれており、わたしのバイブルともなっています。
それでは、以下、検査が必要な理由です。
- 欠損、浮き、ひび割れ、汚れなどの損傷の確認
- 剥落防止の必要性の判断が可能
- 落下による歩行者などへの危害防止
- タイル損傷の確認
- 補修工法・剥落防止工法の決定
- 外壁に要求される耐風圧性能の確認
- 落下防止措置の必要性の判断
- リフォームの判断
- 同上、試算
- 赤外線調査の必要性
これらの理由により、タイル打診検査は、とても重要な検査のひとつとなっています。
以前にも書きましたが、打診検査とは、タイルを貼った後にタイルが壁についてるかどうか音で判断する検査です。
下記掲載写真の打診棒は、携帯用です。
普段は縮んでいますが、伸ばすと通常タイプは45cm程度となり、ロングタイプは110cm程度の長さになります。
(クリック拡大↓)
打診棒のアタマの丸い鉄球には、音が反響するように、小さな穴が空いています。
検査方法は、打診棒のアタマの部分でタイル表面を自動車のワイパーの要領で、軽くコロコロ転がすように動かします。
もしきちんとタイルが付着していない場合は、他の場所の音と明らかに違う音がします。
下写真参照(クリック拡大)
とにかく一度、「既存建築物のタイル外壁の調査と調査結果判断について」を参考に、建物のタイル貼付状況を確認することが大切だと考えます。
最後に、これも大切なタイル引張検査状況の写真を、アップしておきます。
測定器機設置状況です。
(クリック拡大)
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