わたしにとって、とても興味深い法則です。
建設現場の安全に、欠かすことができません。
聞いたことがあると思います。
「ハインリッヒの法則」です。
この法則は、労働災害における経験則の一つです。
つまり、 1つの重大事故の背後には、29の軽微な事故があり、その背景には、300のヒヤリハットが存在するという法則です。
ハインリッヒの、三角形(トライアングル)又は、四角錐(ピラミッド)とも呼ば れています。
法則名は、この法則を導き出したハーバード・ウィリアム・ハインリッヒに由来しています。
たとえば。。。
家の中で、風呂場で滑って転びそうになった。
ネコのしっぽを踏みそうになって、避けてバランスを崩した。
敷居の段差につまずいた。 階段を踏み外して転倒した。
車庫のスロープに氷が張っていて、滑って頭を棚にぶつけそうになった。
料理をしていて包丁で指を切りそうになった。
爪切りで指の肉を挟んだ。
食事中、魚の骨がのどに刺さりそうになった。
電球を取り替えようと椅子に上がり、バランスを崩した。
屋根の雪下ろしをしていて、滑り落ちそうになった。
などなどなど
すべて、ヒヤリハットですね!
これがだいたい300回重なると、軽微な事故が1回起きるのです。
つまり、そのうち、敷居の段差につまづいて、膝を打撲するようなことが、統計的にも起こりうるということです。
そして。。。
車を運転し、車庫入れをしていて、壁にぶつかった。
家の玄関ドアに指を挟んだ。
コンセントを抜こうとして、感電した。
コップを洗っているときに、間違って落として割ってしまい、拾おうとして指を切った。
ハイヒールの足が折れて、足をくじいた。
料理の最中、ガスの火が壁に燃え移った。
腐ったものを食べて、腹をこわした。
このような軽微な事故が、29回重なると。。。 重大な事故・災害が起きるのです!
(重傷・死亡事故)
長いこと、工事現場で働いていると、労災事故も何度か経験しているのですが、振り返ると、必ずこの法則が、当てはまっていることが多いです。
現場では、下記のような用紙(報告書)などを使用し、安全教育をおこなっています。
例1.ヒヤリハット事例報告書
現場内で気づいたこと他、ご自由にご記入下さい!
例2.ヒヤリハット事例報告書
例3.交通安全のための、通勤用交通ヒヤリマップです。
このようなシートを作成して、安全意識を向上することが大切です。
ポイントは、どのようなことでもいいから書いてもらうことです。
「ネコのしっぽを踏みそうになった」これでもいいのです。
とにかく条件にこだわることなく、「ヒヤリとしたこと」を書いてもらうのです。
そうすることによって、本人の意識の中に「ヒヤリ」「安全」が刻み込まれるのです。
少なくともわたしは、そのように理解しています。
是非、使用してみて下さい。
この法則から、ヒヤリハットを少なくする(少なくすることを意識させる)ことが、重大な事故・災害をなくす第一歩だと考えます。
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