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曳家(ひきや)の作業手順「建物を曳いて移動する」

投稿日:2012年2月12日 更新日:

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今回は、実際に現場で行われた「曳家」工事を、多くの工事写真と共に紹介いたします。

そもそも「曳家」とは、住宅など建物の移動に用いられてきた工法で、建物を基礎から切り離し、コロにより建物そのものには影響させないで目的の場所へ移築する方法を指します。
家を曳く(ひく)から、曳家(ひきや)です。

建物を移動する原因(理由)は、下記等が挙げられます。

  1. 都市計画により、道路拡張に支障をきたす。
  2. 土地区画整理などで、建物を移動する。
  3. 陽当たり改善のため建物の向きを変える。
  4. 立地条件の変化(隣地に支障、落雪など)
  5. 増改築に伴う、建物位置変更
  6. 建物の利用目的の変更(店舗に改修するので正面に駐車場が必要など)
  7. 敷地の有効利用(建物を持ち上げ、その下に駐車場をつくるなど)

同じ建物を曳くのでもいろいろな工法があります。
種類としては、土台揚げ工法、姿曳移動工法、腰付移動工法、基礎共移動工法が、広く施工されております。

1.土台揚げ工法
土台をH鋼またはレールで根固めし、油圧ジャッキを集中管理して揚家します。
建物の下で基礎を新設したり、基礎の補強をします。
新設又は補強した基礎にジャッキで下降させ基礎に据付けします。

2.姿曳移動工法(下腰工法)
H鋼およびレールを土台の下に設置して、油圧ジャッキを集中管理し、建物をジャッキアツプして基礎と土台を切離して、新設した基礎に家屋を移動させ、新設基礎に据付ます。
土台の下に鋼材を入れ建物を受け、移動する工法です。

3.腰付移動工法(上腰工法)
土台と床の間に鋼材を通して、鋼材と柱をワイヤー又は締付けボルトで締結し、建物を移動する工法です。
土台のない木造住宅、神社、仏閣などで施工されます。

4.基礎共移動工法(総受工法)
建物を基礎と共に移動する工法で、RC造り建造物、重量鉄骨、軽量鉄骨住宅、ハウスメーカー住宅などを基礎から移動します。

さて、今回行なった曳家は、寺社で、上記2番目の工法である「姿曳移動工法」にて、施工しました。
つまり、建物ごとレールの上に乗せ、ゆっくりと移動させていくという方法です。

最初に、内部の須弥壇関係・備品・家具等を、撤去移設して、床を剥がしました。
その後、土台を切り離しました。

下記写真参照↓
(クリック拡大)
[SlideDeck id='5575' width='80%' height='300px']

続いて、ジャッキアップを行い、建物を浮かします。
井桁に架台を組み上げ、建物全体のレベル調整を行います。

レールをセットして、ワイヤーを掛ける段取りをします。
建物移動のための台車をセットし、いよいよ、曳家が始まります。
レールの上には、コロを敷きます。
もちろん、移動する前に、新しい基礎を施工しておかなければなりません。

ここまでの流れを実際の写真にて、確認してみてください↓
(クリック拡大)
[SlideDeck id='5527' width='100%' height='350px']

そして、完成です↓
(クリック拡大)

[SlideDeck id='5565' width='100%' height='300px']

現在の曳家工事は、木造、鉄骨造、RC造を問わず施工出来ます。
住居の場合、住みながらでも移動できます。
その他、地震や台風で傾いた建物を、まっすぐに戻したり、建物はそのままで、老朽化した基礎だけをやり直すことも出来ます。

日本では、かなり昔の奈良時代に、「ころ」と「丸太」と「レール」がすでに使われていたそうです。
現在の曳家工法においても、レールを使用し、「コロ」に乗せた建物を、ウインチで曳き、目的地まで移動します。
時代は、移り変わっても、その原理は、昔も今も同じです。

建築(施工)の世界も、過去の知恵と工夫が大切なのは、今後も変わらないと考えます。

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