杭頭補強筋です。
以前、「パイルスタッド」という記事にて、杭頭と基礎との、あたらしい接合方法を記述しました。
今回は、元来施工されてきた一般的な、杭頭補強を紹介します。
これは、杭頂部を基礎に締結する工法で、パイルキャップにて杭頭を塞ぎ、そこに杭頭補強のための鉄筋かごを組み挿入し、中詰めコンクリートを打設する方法です。
この鉄筋かごを一般的に、杭頭補強筋と称します。
既製コンクリート杭の場合、杭頭と基礎との接合方法は、固定の程度により異なってきます。
①A形(半固定)の場合
基礎内に杭を100mm程度埋め込むことによる半固定的なタイプです。
杭頭部の中詰めコンクリート補強筋は、杭頭切断によって生じるプレストレス減少による張力低下分等を補うものです。
②B形(固定)の場合
基礎フーチング内に杭を杭径長さ分埋め込むタイプです。
このタイプは杭頭切断によって生じるプレストレス減少のための杭頭部の補強ならびにほぼ固定に近い固定度の確保を目的としています。
場所打ちコンクリート杭の場合は、一般に杭頭は、固定とする場合が多く、杭筋の定着長さについては、L1とします。
現在、杭頭を塞ぐパイルキャップと、杭頭補強筋が一緒になった、製品が使われています。
これは簡潔な構造で、技能工の熟練を必要とせず合理的な配筋施工が容易かつ正確にでき、効率性及び経済性にも優れた杭頭補強筋ユニットです。
建物と杭とを強固に結合でき、さらになんといっても、工場生産により配筋精度及び品質が一定しているのが、魅力的です。
杭の径により、杭頭補強の本数、太さ、長さが決められます。
下記写真は、一般的な杭頭補強の納まり図と、規格表です。
規格寸法表は、あくまでも参考値で、設計図書が優先します。(クリック拡大)
下記写真は、実際の底キャップ付杭頭部補強鉄筋の材料と、セッティング状況です。
杭基礎の耐震問題に関連して
場所打ちコンクリート杭のコンクリートに関連する施工指針・同解説第2版
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