仮設工事

冬期養生上屋パネル(寒冷地対策)

2008年1月12日

北海道(寒冷地)にて、冬期に躯体工事等を進める場合に検討しなければならない事項として、養生上屋があります。

現場員の頭を悩ます部分ではありますが、基本的にコンクリートの品質管理をする上で、避けては通れない仮設工事の一種です。

冬期養生上屋の在来工法は、単管、ビデ足場などを使用し骨を組み立て、足場板・コンパネ・シートを使い屋根を作成するのが一般的でした。

今回は、ユニット化された養生上屋の仮設資材を、紹介します。

道内においても数社のリース業者にて扱っていますが、この屋根部分をユニットパネル材に変えることによって、作業効率の向上、工程の短縮を計ることが可能です。

又、屋根がコンパネ・シートの場合は、水の浸入を防ぐことが容易ではないのに対して、パネルの場合勾配をとることにより水の浸入を抑えることができます。

1枚のパネルの大きさは、通常巾が2.4m、長さが6.0、8.0、10.0、12.0m程度の形状です(メーカーにより多々あります)

重量は、2380*10000の大きさで、990kg程度です。

施工手順です。

最初に外部足場を所定の高さ迄笠上げし、ワイヤーなどで躯体より控えを取ります。

その足場の上に、150H又は、200H鋼を配置します。

次にスラブに中間支柱を立て、梁(H鋼)を掛けていきます。

この際に、ワイヤー及び水平つなぎ(単管などによる)を確実にとり固定します。

最後にパネルを梁の上に掛けていき、手摺を取り付け完成です。

手摺は、外廻り及び開口部に取付けます。

ほとんどの作業は、クレーンを使用することになります。

パネルは、基本的にトラックから直取り直載せとします。

中間支柱及びワイヤーなどは、躯体を貫通させることになりますので、監理者との協議が必要になります。

又、途中階より四角支柱を建てる場合はスラブに集中荷重がかかるため、状況により下階に補強支柱が必要になります。

雪害及び凍害に対する各工種の品質管理を、冬期においても適正に保つため、適材適所である工法を採用し、施工することが大切であると考えます。

下記写真(実施例1及び2)にて使用している養生上屋は、10階建マンションの上部2フロアー分を、囲っている状況です。
囲いの高さにして約9m程度です。
面積は、1フロアー約300m2です。
トータルコストとして、機材の損料が1シーズン約200〜300万、設置解体手間は約100万、レッカー費用約60万、他運送費、雑材費などがかかります。(あくまでも参考価格です)

※実施例1
中間支柱は、建枠を使用しています。
写真にも写っていますが、上屋パネル(フラットタイプ)部分に、開口部を設置しています。
これは、明かり窓になるとともに、材料(型枠、鉄筋材など)の取り込み開口にもなります。
三角部分を垂直にすることにより、手摺兼用になります。
この機材を使用することにより、より安全でスピーディーな資材取り込み作業が可能です。

冬期養生上屋01 冬期養生上屋02

※実施例2
下に紹介している上屋は、上屋パネルにデッキプレートタイプを使用し、支柱は、専用四角支柱を使用しています。
屋根開口は設置していません。

冬期養生上屋04 冬期養生上屋03

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