防水工事

塗膜防水工法(ウレタン防水)

2008年4月27日

建物の防水工事に使用する材料にはいくつかあり、それらを使用した工法が確立しています。

主だったものを、大きく分けると、アスファルト防水、シート防水、塗膜防水です。

それぞれ,過去の記事(10.防水工事)にも書いていますが、今回は、今後いろいろな種類が期待できる工法である塗膜防水工法を記述します。

塗膜防水工法には、ウレタンを原料にしたもの、FRPを素材にしたものなどがあります。

現在は,工法、価格面も含め、ウレタン防水の需要が多いです。

ウレタン防水(ウレタン塗膜防水工法)は、塗料状のウレタンゴムを屋上やベランダなどに刷毛、金ゴテ、ゴムべら、吹付機械などで塗って防水層を形成する工法です。

基本的に主剤と硬化剤の2つの成分を混合して施工します。

施工すると2つの成分が化学的に反応して硬化し、シームレスな防水層になります。

塗膜防水(ウレタン防水)の施工手順です。(密着工法)

工法の種別に関係なく、施工時の気象条件は、防水層の良否に大きく左右されるので,充分注意する必要があります。

以下の場合は施工を中止しなければなりません。

1.気温が著しく低い場合
2.降雨雪等の恐れがある場合
3.降雨雪等の後で,下地が充分乾燥していない場合
4.強風の場合

最初に、施工に関して、防水層の下地状態が非常に大切です。

施工の出来は全て、この下地の状態に左右されると言っても過言ではありません。

下地コンクリート面は,平滑で凸凹が無いようにし、又,鉄筋・番線等の突起物、粗骨材、モルタルのこぼれ等は防水層を破壊する原因となるので完全に除去しなければなりません。

クラック等も適正な処置が必要です。

又、出隅入隅、ドレーン周りは、補強塗が必要です。

次にプライマー塗布です。

施工に先立ち,下地の乾燥を入念に行います。(一般的に高周波水分計による水分測定など)

下地の含水率が高いと,水蒸気によりふくれが生じます。

プライマーを種類に応じて,ローラー、刷毛、毛刷毛等を用いて均一に塗布します。

通気緩衝シートを転圧しながら張付けます。

防水材を塗り付けます。

2成分系防水材は,製造所の指定する配合により,可使時間に見合った量を,撹拌器を用いて充分練り混ぜます。

塗り付けタイプの防水材は,ゴムベラ又は金ゴテで均一に塗り付けます。

最後に、仕上げ塗料を練り混ぜ、ローラ刷毛、毛刷毛、吹付け機等を用いて、均一に塗布し、完成です。

塗膜防水と他の防水工法の一番の違いは、アスファルト防水工法のように高温を必要とせず、強烈な臭いもないこと、またシート防水と異なり継ぎ目のない防水層に仕上げることができるということです。

つまり、複雑な形状の屋根やベランダでも施工しやすいという利点があります。

ただ、この塗膜防水も、あくまでも、人によって塗って仕上げられるため、施工精度・防水層の厚みなどの確保が大切です。

一般的に、ベランダ等に使用されることの多い「ウレタン防水」の場合、m2/3,500円前後(普及品目安)、防水保証期間1〜2年程度が多いです。

下記写真は、某マンションベランダにおける、ウレタン防水の下塗り状況です↓

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